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コミュニケーション・バイブル
Office D代表 松本真理/小川数美 共著
定価:1,300円+税 発行:風詠社 発売:星雲社

―本文からの一部抜粋―
第三章 問題に直面したときのコミュニケーション力の活用事例
3.1 さまざまなコミュニケーション・シーン
A 喧嘩の仲直りをしたいとき
上司と部下などの上下関係において喧嘩をしたときの仲直りコミュケーション事例を示します。

---上司と部下の電話による喧嘩の状況---

上司:何で私の言ったとおりにしないのかね。だから君は使い物にならないんだよ。
部下:お言葉ですが、現場を知らない方にとやかく言われたくありません。
上司:なんだと。もういい。お前には任せられない。他の者にやってもらうことにする。
部下:好きにしてください。どうなっても知りませんからね。
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 このような電話を用いた会話による上司と部下の喧嘩の状態にあなたが遭遇したとします。
あなたが上司の立場であったら,どのような方法で部下と仲直りしますか。
また,部下の立場ときは,どのような方法で上司と仲直りしますか。

=コミュケーションのポイント=

●喧嘩の仲直りをしたいときは,必ず対面でコミュケーションする。
●喧嘩の根本的な原因を把握し,原因の解消を目指す。
●相手の心理状態を想定する。
●最初に自らの非を認め,相手にも非を自ら認めるように誘導する。

 上司と部下の電話での会話から、上司側の立場からすると、部下が上司の承認を得ないまま、
やり方を変更したことに腹を立てていることが読み取れます。また、部下の立場からすると、
上司の承認を得ている時間的余裕がなかったのに、頭ごなしに自分の無能力さを指摘した
ことに腹を立てていることが読み取れます。
上司から仲直りコミュケーションを仕掛けたい時は,部下の腹を立てている原因と心理状態を
冷静に想定し,自分が言い過ぎたことの非礼を認めて謝ることから始めるのが最も効果があります。
ただし,上司が仲直りコミュケーションを始める目的には,喧嘩の原因となったコミュケーション上の
問題点を解消することが含まれます。
具体的には、部下がやり方を緊急に変更せざるを得ないときは、事後であっても迅速に変更理由と
変更結果を報告し、上司が現場の状況を正確に把握できるようにすることを確実にすることです。
そのためには,上司が自分の言い過ぎの非礼を認めるのと同時に,部下も上司への報告をすぐに行わな
かったという問題点を自ら認めるように誘導することが必要です。

----<仲直りのコミュケーション事例1(上司の立場)>---ーーーーーーーーーーーーーーーー

上司:この間は,現場の状況を把握せずに言い過ぎた。申し訳ない。しかし,私の立場も理解して欲しい。
部下:いえ,緊急対応とはいえ,やり方を変更したことを私がすぐに報告しなかったのですから、
あのように言われても仕方ありません。
上司:今後は,変更する際に必ず報告して欲しいんだが。
部下:分かりました。必ず報告するようにいたします。

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 部下から仲直りコミュケーションを仕掛けたいときは,上司が腹を立てている原因と心理状態を想定し、
自分がすぐに報告しなかったことの非を認め,誤ることから開始することが有効といえます。
ただし,上司の部下に対する頭ごなしの無礼な状況を解消しないと、自らストレスをため込むことになります。
ですから、上司自ら、部下への言い過ぎの非を認めさせるように誘導することも念頭に起きながら、
コミュケーションを図る必要があります。
次頁に部下の立場からみた仲直りのコミュニケーション例を示しました。

---<仲直りのコミュケーション事例2(部下の立場)>---ーーーーーーーーーーーーーーーーー

部下:昨日は,独断でやり方を変更したこと、申し訳ありませんでした。緊急事態とはいえ,報告を怠った
ことは私の最大のミスでした。
上司:分かればいいんだ。私も少し言い過ぎた。
部下:今後は,事前に必ず報告して,承認を得るようにいたします。
上司:私もできる限り現場の状態を把握してから指示するように心掛けることにしよう。
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